『ふとんの話』
概要
「まんが日本昔ばなし」で放送された、雪の降る冬の夜に、心温まる出来事が起こるお話です。
あらすじ
雪が降りしきる寒い夜、旅の僧侶が村にやってきました。僧侶は宿を借りようとしましたが、どこも満室で泊めてもらえませんでした。途方に暮れていたところ、貧しい老婆が彼を哀れんで中に招き入れました。
老婆は僧侶に食事を出し、暖かくもてなしました。しかし、老婆の家に布団はありませんでした。僧侶は寒さに震えていましたが、老婆は「もう一人の客人」のために布団を用意していると言います。
しばらくすると、雪をまとった小さな女の子が訪ねてきました。女の子は、老婆の知り合いの孫で、親に捨てられてしまったとのことでした。老婆は女の子を中に招き入れ、僧侶のとなりに布団を敷いてあげました。
僧侶は、自分が女の子の布団を奪ってしまったことを申し訳なく思いましたが、老婆は「仏様のお恵み」と言って気にしませんでした。
3人は布団を1枚ずつ分け合って眠りました。すると、僧侶の体の震えがピタリと止まりました。朝起きると、女の子は姿を変えて観音菩薩になっていました。
観音菩薩は、老婆の心優しさを褒め称え、僧侶に「二度と寒さを感じることはないだろう」と告げました。そして、女の子と一緒に姿を消しました。
教訓
このお話は、以下の教訓を含んでいます。
- 親切は報われる。
- 困っている人を助けることは大切。
- 見知らぬ人にも優しさを示すことが必要。
- 心の豊かさがあれば、物質的な貧しさは耐えられる。
- 思いがけない形で、善行が返ってくることがある。